〜昨日の集まりの帰りの電車にて〜
それにしても、楽しかったな。
秋刀魚も沖縄料理もいただいて。
色々と語らって。
…よし、そろそろ降りなきゃ。
そろそろ…。
ハッ!
さっき過ぎたはずの駅に戻っている…。
どうして…。
時間は、きっかり1時間経っている。
パズドラも、消費したはずのスタミナが戻っているし…。
まあ、いいか。どうせこのまま乗っていればすぐ着くし。
このまま…。
あれっ。
今度は全然違う駅にいる…。
…なるほど。
やっと状況が見えてきた。
どうやら俺は、異世界に迷い込んでしまったらしい。
「ワープする電車が走っている世界」に。
ワープする…電車が…。
走って…。
ほら、また。
全然違う駅にいる。
そんな感じでワープを繰り返し、この「電車の世界」には幾つかのルールがあることに気付いた。
・特定の条件を満たすと、この電車は別の駅にワープする。
・ワープ発動の条件は「瞳を閉じる」こと。
・まばたき程度の短いものは「瞳を閉じる」には含まれない。
・ワープする先は、通過駅の中からランダムで選ばれる(別路線にワープすることは無い)。
・ワープの際は、現実に移動するのと同じだけの時間が過ぎる。
・ワープ後の電車内の顔ぶれは毎回異なる(他の乗客も同じようにワープしているせいだと思われる)。
こうして法則を挙げてみると、そこから抜け出す方法も自ずと見えてくる。
・目的の駅に着くまでワープを繰り返す。
・普通に起きている。
後者を選んだ俺は、普通に起きて普通に元の世界に戻ってこられた。
やれやれ、行きは30分だったのに帰りに3時間もかかるとは。
夢でも見ていたようだぜ。実際に見てたし。っていうか寝てたし。
なんかすいませんでした。